TrueNAS SCALE 24.04.2 のセットアップをアップしました。
TrueNAS SCALE 23.10.0.1 のインストール・必要ならTrueNAS SCALE の CUI での固定IPアドレス設定を済ませたら、Web GUIベースでセットアップをしていきます。
TrueNAS SCALE 22.12.0 のセットアップの焼き直しです。
ま、普段使っていないので基本的な部分だけですが、23.10でストレージの構築の手順の部分が変わったらしいので。
TrueNAS SCALE の起動後のコンソール画面に表示されているURLか、
設定したIPアドレスに別のパソコンのブラウザでアクセスします。
ログイン画面が表示されるので
ユーザー名 admin ※rootで設定してたらroot
パスワード インストール時に設定したパスワード
でログインします。
(ここはあとで自分ユーザーとか作成しても変わらず、admin または root のセットアップ時に指定した方でしかログインできない。TrueNAS CORE からアップグレードしてきていると root 一択)
ログイン後はダッシュボード画面になります。
1設定に入る前にひとまずダッシュボード画面回りの操作について。
iXsystems と TrueCommand は置いておいて、
(これ必要な人はこの説明なんか見てるレベルじゃないガチの人だと思う)
Jobs 。TrueNAS のジョブがある時はここに表示される。
Alerts 。TrueNAS からなんかお知らせがある時に表示される。
通知があるときは Alerts のベルアイコンのところにマークが出ます。
Settings 。管理用ユーザーのパスワード変更とか、2要素認証とかが設定できるみたい。
Power 。
右上の電源マークからログアウト(Log Out)、再起動(Restart)、シャットダウン(Shut Down)が行えます。
シャットダウンするときは Shut Down を選んで、
Confirm にチェックを入れて SHUT DOWN
遠隔地にある TrueNAS をシャットダウンしてしまうと、電源を入れられなくなることもあるので、注意が必要ですね。
水色の「Configure」。
ダッシュボードの表示項目が調整できるみたい。
Reorder でダッシュボードのパネルの並べ換え、ドラッグアンドドロップで並べ換えて Save 。
見れば分かると思う。
TrueNAS Help とかダッシュボードに表示しなくても、と思いますが、ウィジェットが6つ(StorageはPoolごと、NetworkはNICごとに表示が追加できそうだけど)なので、いじるまでのこともないかと思います。
System Settings
メニューやドキュメントの順番とは異なるけど、まずは、
System Settings から。
System Settings > General
Localization の Settings
Language で Japanese (ja) を選ぶと日本語化されますが、情報源が日本語だけになってしまうので、 English (en) のままがいいと思います。
この説明も英語のまま進みます。
Console Keyboard Map で
Japanese (jp) を選ぶとコンソールで日本語キーボードの刻印通りに入力できるようになります。
あんまりコンソールで操作しないので普段は設定せず English (US) (us) のままです。
Timezone の America/Los_Angeles を消して、
Asia/To
と入力すると、候補に Asia/Tokyo が出てくるので、それを選択して
(プルダウンで下から1/3よりちょっと上あたりだけど、多いのでキー入力のほうがてっとりばやい)
Save
Network
次に Network
Interfaces の右側の鉛筆アイコンからIPアドレスの固定ができる。
コンソールで固定せずに、ここで設定することもできます。
Grobal Configuration の Settings
Hostname のところでこの TrueNAS のホスト名を設定できます。
デフォルトは truenas になっていますが、複数運用している方などは重複しない名前に変更します。
またはお好みで。
Domainは独自ドメインで運用したりしているのでなければ local のままでも。
IPアドレス固定にした方は、
DNS Servers / Default Gateway もここで設定します。
下にスクロールして、
Save で保存。
このUI、右側に出ている範囲外をクリックするとキャンセルして抜ける感じかな。
(説明用のキャプチャ作る側としてはあんまり便利じゃないUIだけど)
Credentials
次に Credintials
Credentials > Local Users
まず root ユーザーの右端の v から
Edit
Email 欄にroot宛てメールの送られるメールアドレスを指定します。
(たぶん。Email送信に関する設定画面見つけられていないので。あと、TrueNAS CORE に比べていじれる部分が多いのが今後どうなるのか気になります。設定項目は System Settings>Generalの下の方のEmail のところ)
下にスクロールして
Save
右上の Add から自分ユーザーを追加
たぶん root ユーザーでは SMB 共有フォルダへのアクセスができないのではと。
Full Name と Username
Password と Confirm Password が必須なので入力。
Username は使用しているパソコンのローカルユーザーと合わせ、
Password と Confirm Password も使用しているパソコンのローカルユーザーのものと合わせるのが透過的に共有フォルダにアクセスできるようになるのでいいのではないかと思います。
■ New Primary Group
チェックを入れたままにしておくと自分ユーザー名のグループを新規に作成して、それをPrimary Groupに設定します。
ここは運用の仕方次第で任意。
(あとで他の人にアクセス権つけてあげたい場合などにこれはこれで使い途あるので作ってもいいのでは)
下にスクロールして
Save
自分ユーザーが追加されました。
他にもユーザーを追加したい場合は適宜追加してください。
Storage
ここでようやく Storage
(Dashboardの次のメニューなのに。ここからちょっと手順が変わっています)
共有フォルダを作成したりするためのディスクの集合体、Pool を作成します。
Crate Pool
(真ん中辺のでも同じ。青くてもいいと思うんだけど)
Name を指定。
いつも Oracle 流に tank にしているけど、任意。
とはいえ大抵のシステムではどうせ Pool は1個しか作らないから何でもいいと思う。
(何でもいいので結局 tank という。別に Oracle のエンジニアだったわけではないですが)
□ Encryption (暗号化)
をチェックする。
(最近はよほどパフォーマンスカツカツとか、パフォーマンス最重視じゃなければ、運用中にドロップしたディスクの処分にあんまり気を遣わなくて良くなるので、暗号化するのがいいかな、と思っています)
Encryption Standard はデフォルトの AES-256-GCM でいいのでは。
暗号化に関する注意書き。
Warning
Encryption is for using storing sensitive data. Pool-level encryption does not apply to the storage pool or disks in the pool. It applies to the root dataset that shares the pool name and any child datasets created unless you change the encryption at the time you create the child dataset. For more information on encryption please refer ti the TrueNAS Documentation hub.
注意事項
暗号化は、機密性の高いデータを保存するために使用します。プールレベルの暗号化は、ストレージプールやプール内のディスクには適用されません。子データセットを作成するときに暗号化を変更しない限り、プール名を共有するルートデータセットと、作成された子データセットに適用されます。暗号化の詳細については、TrueNAS ドキュメンテーション ハブを参照してください。
Confirm にチェックして I UNDERSTAND (理解しました)
画面は仮想マシンなので、SSDのシリアルナンバーがユニークじゃないって怒られていますので、
● Allow
Next
Layout で希望する構成を選択する。
Stripe
Mirror
RAIDZ1
RAIDZ2
RAIDZ3
dRAID1
dRAID2
dRAID3
から選ぶ。
dRAID は ZFS のパフォーマンスを高める代わりに小さなファイルだと効率が落ちるらしい。
OpenZFS dRAID has risen! - Storage Gagaなんか見てみると、dRAID よさそう、ってなる。
ただ、実際に設定してみようとすると、dRAIDを構成する場合はディスクが10台以上が推奨、とかdRAID2はスペアディスクを最低でも1台用意しろ、後からはスペアディスクは追加できない、とか結構注文の多い料理店。
(ので結局テスト環境は4台でRAIDZ2)
同容量のディスクが必要な数装着されていれば Automated Disk Selection でディスクが選ばれます。
画面では、64GBx4、128GBx2 のディスクを接続しているので、Disk Size で 64GB を選択しても Width が 4 と128GBx2 が選ばれていない。
(右側に Unassigned Disks として余ってる)
■ Treat Disk Size as Minimum
をチェックすると、128GBのディスクも含めて
Width を 6 に設定できました。
雑多な容量のディスクで Pool を構成するのはデメリットばかりなのであまりすすめられたものではないですが、テスト用環境などで、とりあえず本数だけ満たしたいときなどはお好みで。
すこしスクロールすると、
あとの項目が
3 Log (Optional) ログ。SMBでは意味がないとされているが複数の同時アクセス時に役立つらしい
4 Spare (Optional) スペア。使わない予備のディスクをスタンバイしておく。
5 Cache (Optional) キャッシュ、SSDなどで構成すると、メモリのキャッシュを溢れた分に効果があるがメモリが十分に大量にないと性能の低下を引き起こす
6 Metadata (Optional) メタデータのキャッシュ用
7 Dedup (Optional) 重複排除、同じデータが重複しているような場合容量効率が上がるがメモリ消費やCPU負荷などもあるので用途次第
とオプション項目なので、
Save And Go To Review
でスキップして
8 Review
に進む。
設定したい人は Next で順次設定していけばいいと思いますが、この説明見ている人はまだ早いんじゃ、と思います。
仮想マシンの仮想ディスクなのでシリアルナンバーがユニークじゃないって怒られてますが、実機なら表示されないと思います。
構成を確認して
Create Pool
全ての追加されるディスクが消去される注意。
Confirm にチェックして Continue
警告
WARNING!
Losing the ability to unlock the pool can result in losing all data on the disks with no chance of recovery. Always back up the encryption key file or passphrase for an encrypted pool! The key file for an encrypted pool is secured in the system database and can be exported at any time from the pool options
警告!
プールのロックを解除する能力を失うと、ディスク上のすべてのデータが失われ、回復の見込みがなくなる可能性があります。暗号化されたプールの暗号化キー ファイルまたはパスフレーズは必ずバックアップしてください! 暗号化されたプールのキー ファイルはシステム データベースに保存され、プール オプションからいつでもエクスポートすることができます。
Download Encryption Key より暗号化キーをダウンロードして、Poolのディスクとは物理的に別の場所に保管しておく。
このファイルをなくしたら最悪 Pool の全てのデータをロストすることがあり得るので厳重保管。システムを再インストールして、Poolをインポートしようとすると、暗号化されている場合、ここで保存しておいたキーファイルのアップロードかパスフレーズの入力が要求されます。キーファイルがアップロードできるとまっさらな環境で Pool が読み取れるようになります。
保存したら
Done
Pool が作成されました。ディスクのサイズ混在で作成したので、 Data VDEVs のところにオレンジのマークが出ています。
のでここからは別の同容量4台でRAIDZ2構成にした仮想マシンで続けます。
Dataset >
Add Dataset
Name を指定。
共有フォルダにするつもりの名前を半角英数で指定するのが無難。
(全角文字とかも通りますが、後の運用中に全角文字が指定できない局面とか出て詰んだり…)
Windows の共有フォルダである SMB に使うだけのつもりなら、
Share Type を SMB にすると楽。
LinuxやMacの人などや、他の用途の場合は Generic で。詳しくは割愛。
Linux と Mac 、 Windows 混在なんて人もSMBの方が無難かと(Case Sensitivity は低い方に合わせる的な)
Save
できた Dataset を選択して右下の Permissions の Edit
Owner: root
Owner Group: root
となっているので、root のところをクリックすると表示されるプルダウンより先ほど作成した自分ユーザーと、自分グループに変更。割とリストの上の方にいると思います。
Owner は Full Control
Owner Group は Modify
(自分のみフルコントロール、グループは読み書き、ゲストアクセスは不可)
になっているので一般的な用途にはこれで十分かと思いますが、
何か変更したい場合はここで調整。
他の設定パターンは後日やるかも。
Save Access Control List
Shares
そして Shares
Windows (SMB) Shares の右側の Add の右側の縦三点をクリック
Config Service
Netbios Name
をSMB共有を参照するパソコン側から見える名前として設定。
(hostnameの設定反映されないのかな)
Workgroup
はパソコンと同一のものにする。
Windows 10だと歯車→システム→詳細情報→このPCの名前を変更(詳細設定)
で確認できる。
Description は説明。
Windowsだと見える場所ほとんどないので気にしなくてもいい位。
Save すると
System Settings > Services に移動してしまうので、
Shares に戻ってくる
(それなら最初から System Settings > Services > SMB の右側の鉛筆でもいいんだけど、ちょっとメニューが深いんですよね)
Windows (SMB) Shares の右側の Add をクリック
/mnt の左側の▼から順に展開して、先ほど作成したデータセット(画像では share)をクリック。
Path が指定され、
Name がクリックした階層の名前になります。
(打ち替えることも可能だけどわかりにくくなるような気が)
Purpose は
Default share parameters か Private SMB Datasets and Shares あたりが、SMB共有にしか使わないときは妥当かと思います。
この辺の他の選択肢の説明もいずれ気が向いたら。というか、そういう使い方をしたい人は詳しい人だと思うので。
Save
ここでサービスを起動するか訊かれるので
■ Enable this service to start automatically
(このサービスを起動時に自動的に開始する)
にチェックを入れて
Enable Sservice
Windows (SMB) Shares が RUNNING になっています。
Windows マシンからなら、
ネットワークの中にこの TrueNAS SCALE が見えたり
[Win]+[R]で\\に続けて SMB の項目で指定したこの TrueNAS SCALE の Netbios Name やIPアドレスを指定して[Enter]すると、
共有フォルダが見えるかと思います。
見えたら共有フォルダ内にファイルやフォルダを作成したり削除したりできるか確認してみてください。(おっくうがって自分ユーザー作らないで root や admin でアクセスしようとしてもできなくなってるはず)
Data Protection
SMB 共有フォルダの設定ができたら、あとはNASとしての堅牢性に関する項目、 Data Protection
Periodic Snapshot Tasks の Add
Dataset で今回作成した Dataset を単体で指定するか、複数 Dataset で運用するなら Pool 自体を指定して Recursive にチェック。
ほかのパラメータは何か思い入れがあればそれに設定して
(スケジュールはDaily で1日1回00:00 12:00AM とか)
■ Allow Taking Empty Snapshots は変更がなかったときはスナップショットをとらない設定なので、あまり変更の多くない場合は外した方が使いやすい。
Save
Windows の「以前のバージョン」が利用できるようになる。
S.M.A.R.T. Tests の右側の Add
■ All Disks
にチェックして
Type
に
SHORT
を指定、
Schedule
は
Daily (毎日00:00 12:00AM)
Save
※Periodic Snapshot Task とずらしてもいいかも。
簡易的なセルフチェックですが、これで何か検出された場合はつべこべ言わずにディスクを交換した方がいいと思います。
(実験用途なら好きにすればいいと思うけど)
ひとまずこんなところ。
使用しているハードディスクが古かったり、新しく投入したばかりの場合は、
追加で S.M.A.R.T. Test を実行したりしてもいいかも。
とはいえ、まだファイル共有用には TrueNAS CORE がメインで、 TrueNAS SCALE環境はテスト用の1機と仮想マシンしかまだありません。