Twitterで、
TrueNASは市販のNASのように適当なディスクの組み合わせが出来ませんのね
というのを見かけました。RAIDを構成するにあたって、容量が異なるディスクを組み合わせるのはリスク以外のなにものでもありませんが、中古パーツとかを寄せ集めて TrueNAS で NAS の運用を開始しようとする際に、複数台のディスクを同容量で用意できない、というケースはあるかと思います。
ざっと調べたところ、
ディスクを自分で調達するタイプの市販の NAS 製品では、
Synology の Synology Hybrid RAID (SHR) が、容量の異なるディスクを組み合わせて冗長性を持たせてくれるようです。
TrueNAS の場合は、それに該当する構成はないのですが、
たとえば NAS 用に用意できるディスクが、とりあえず 500GB、1TB、2TB の3本だったとしたら、どうすればいいか、という話です。
TrueNAS の機能では、異なる容量のディスク1台ずつでそれぞれ別々の VDEV を作成することで、
JBODのように容量を確保させることはできます。(一応、合計容量のPoolにはなります)
ですがこれだと全く冗長性がない上に、どれかのディスクがダウンしたら全滅です。
これで運用を開始しても不幸な未来しか想像できないので設定方法などの解説も省略します。
500GB、1TB、2TB の3本だったら、現実的なところでは、
500GB×3とみなしてRaid-Zを構成して、(容量は500GBx2=1TB相当…このままだと500GB使わずに1TBと2TBのミラーと同等の容量)
500GBのディスクを2TBに交換すれば1TB×3、(容量は1TBx2=2TB相当)
2TB、1TB、2TB となっている状態で
最後の1TBのディスクを2TBに交換すれば2TB×3(容量は2TBx2=4TB相当)
というふうに拡張していく運用が妥当なところかと思います。(手持ちのディスクでスタートして、後々2TBx2を購入する)
この場合 RAID の構成を後で変更できない、という点で、3台構成のRaid-zを構築する、ということを重視する感じですね。
試しに仮想マシン上に 32GB、64GB、128GB、256GB の容量の違う4つのディスクを構成して、
Pool を作成してみます。
SUGGEST LAYOUT はうまく作動しませんので、
Available Disks の左上のチェックを入れて、→
右側に4台のディスクが移動して、
Raid-z2
Estimated raw capacity: 60 GiB
Mixing disks of different sizes in a vdev is not allowed.
(1つの vdev に異なる容量のディスクの混在は許されません)
と表示されています。
構成としては最小容量の 32GB による4本のRaid-z2が選ばれています。
この構成で強行する場合は左下の
□ Force
をチェック。
Warning
The current pool layout has these cautions:
- One or more data vdevs has disks of different sizes.
Create the pool with this layout?
注意
現在のPoolのレイアウトには、以下の注意事項があります:
- 1つまたは複数のデータ vdev に異なるサイズのディスクがあります。
このレイアウトでプールを作成しますか?
と指摘されます。
□ Confirm
にチェックを入れて強行することで、
Pool を作成することができますが、
この場合は、64GB、128GB、256GB のそれぞれのディスクの容量は活かされていない状態になります。
あとは、
500GB、1TB、2TB の3本に例えば1本追加できる構成だとしたら、
2TBを追加して、
500GB と 1TB のミラーと、2TBx2 のミラーという 2+2 の構成にするのもありかなあと思います。
(この場合、次のディスク購入は壊れたディスク次第。500GBか1TB側なら残り容量の減り具合で1TBか2TBを。1TBでいいならもうしばらく様子見。2TBを購入したなら早めに生き残ってる方も2TBに交換)
それか、500GBは最初からあきらめて使わずに(Amazonの価格とか見ればあまり意味ないのが確認できるかと)、
1TBと2TBのミラーにするか、
理想の容量より、
実際に利用する予定の容量に基づいて、適宜新しいディスクも追加して、同容量の組み合わせで構成するのが良いかと思います。
1TBと2TBを1本ずつ買い足して、1TBのミラー+2TBのミラーのストライプ構成とか。
NAS にハードディスクを使おうとすると、実際に使用する容量と価格のバランスが重要ですね。
単に容量単価だけでディスクを選んでも、そこまで使わないうちに故障したりすると残念ですし。
Barracuda の1TBはCMRらしいけど…。
そんなに激しく書き換える用途でなければSMRのモデルでもいいのではと。
Seagate の IronWolf は 4TB からRVセンサー(回転センサー)が装備されるので、イマドキで4台以上になるようなときはできれば 4TB 以上で構成したいところ。