FreeNASのディスク構成をもう一度考える では、ディスク2本ずつのペアのMirrorを作ってそれを追加していく、というアプローチを紹介しましたが、
TrueNAS SCALE ではこのタイプの Pool 構成だと怒られます。(いや、怒られてるのは別の理由か)
ので、素直にディスク台数と、必要なパリティドライブ数で構成するのがいいと思います。
現実問題として、ディスクを交換して容量を増やそうとしたとき、
6台は結構キツイ感じなので、
きりしまは4台のRaid-Z2で構成する感じですね。
先のMirrorx2と容量効率として同じですし、
TrueNAS SCALE に怒られないですし、
1本ダウンしても落ち着いて再構築できます。
家庭用として想定される台数の組み合わせとしては結局
2台 Mirror 50%
3台 RAIDZ 66%
4台 RAIDZ2 50%
5台 RAIDZ 80%
6台 RAIDZ2 66% or RAIDZ 83%
または
2台ずつペアで Mirror を何セットか 50%
あたりでしょうか。
結局ディスクを何台接続できるか、
ハードウェアのキャパシティと予算に最も依存すると思います。
依然としてMirrorにあとから1台追加してRAIDZ、みたいなことはできません。
Mirror に Mirror を追加することはできますのでディスクの台数を追加して容量を拡張していくつもりの場合は選択肢になるかも知れません。
それを言ったら RAIDZ に RAIDZ を追加もできるわけですが。
あとGUIベースだと、例えば RAIDZ に Mirror などの他のレイアウトで追加はできないみたい。拡大するときは1個目と同構成固定っぽい。
dRAID は以前確認したときはディスク10台以上らしいので逸般の誤家庭向け。
dRAID1 の構成を仮想マシンで試して確認したところ
データディスクの台数は2のべき乗、2, 4, 8, 16, …
最低1台のホットスペアディスクが必要で
パリティを含め合計10台以上必要らしい。
設定値が推奨値でないときの表示
Data Devices
Recommended number of data disks for optimal space allocation should be power of 2 (2, 4, 8, 16...).
(最適なスペース割り当てのための推奨データディスク数は2のべき乗(2、4、8、16...)で す)
Distrubuted Hot Spares
At least one spare is recommended for dRAID. Spares cannot be added later.
(dRAID には最低 1 台のスペア を推奨します。スペアを後から追加することはできません)
Children
In order for dRAID to overweight its benefits over RaidZ the minimum recommended number of disks per dRAID vdev is 10.
(dRAID が RaidZ よりも優位に立つためには、dRAID vdev あたり最低推奨ディスク数は 10 で なければなりません)
各項目の最小は
データディスク2台、スペア1台だと、Children 5台、
と表示されるけど、この構成だとChildrenが10台以上じゃないと怒られる。
強行して構成することはできそうだけど、説明通りたぶんわざわざdRAIDを選択する意味がない。
かといって
データディスク2台、スペア1台で、Children 10台というのも無駄な構成の気がする。
データディスク4台、スペア1台だと、Children 7台
と表示されるけど当然Childrenが10台以上じゃないと怒られる。
データディスク8台、スペア1台で、Children 11台、
これならChildrenが10台以上なので怒られなくなる。
8台の次は16台になるけど試してみると
データディスク16台、スペア1台で、Children 19台、
データディスク32台、スペア1台で、Children 35台、
となる。
どうしてそういう計算なのかよくわかんないけど11台とか19台もの構成は一般家庭には関係なさそうなのでこの辺にしておく。
ZFS dRAID Primer
に解説されているみたいだけど、
多数のディスク(>100)が接続されたストレージアレイを対象としており、dRAID vdev レイアウトの主な利点は、回復時間を短縮することです。これは、dRAID vdev をデータとパリティデバイスを持つ複数の内部 raid グループから構築し、リビルド IO に事前計算された順列マップを使用し、必要な時にストレージ容量をゼロで満たす固定ストライプ幅を使用することで実現される。
dRAID の使用に関する推奨事項
ストレージ効率への懸念があるため、dRAID vdev レイアウトは、TrueNAS ストレージ アレイに、頻繁に故障することが予想される多数の (100 台を超える) 接続されたディスクがあり、アレイに大容量のデータブロックを保存している、非常に特殊な状況でのみ推奨されます。SSD に導入する場合、dRAID は、ビデオ制作や HPC ストレージの一部など、高パフォーマンスの大容量ブロックのワークロードに対して実行可能なオプションになり得ますが、本番稼動する前に構成を十分にテストしてください。
dRAID と RAIDz vdev レイアウトの現在の調査では、全ての一般的なユースケースシナリオ で、特に小ブロックのデータを保存する場合、RAIDZ レイアウトの方がより効率的にデータを 保存することが分かっています。
一般的に、dRAID は、回復時間を大幅に短縮し、プールをより早く健全な状態に戻す必要がある場合に検討してください。dRAID の実装は非常に新しく、RAIDZ ほどテストされていません。リスクを許容できないストレージプロジェクトであれば、dRAIDがより確立され、広くテストされるようになるまで待つことを検討するべきです。
こんなことなので11台程度でへこたれているようではお呼びではないようです。
100台以上、などの規模のアレイを組んでいればチョコチョコリビルドする必要が出てきて意味があるのかも知れません。
その際に内部的に仮想の複数のvdev間で複数のディスクで分散してスペアに相当する部分を持っているような感じなので、リビルドするときのディスクIOが分散化されるっぽいようです。
スペアと言っても実際は各ディスクで容量の一部をスペアとしてキープしているだけで普段からディスクアクセスがあるということなんだろうな。
Figure 2: dRAID Characterization
その上で大容量のファイルを取り扱うのでなければ容量効率が悪くなることも分かっている、
ということのようです。
FreeNAS のディスクはどう構成すればいいか
昔のウィザードのオススメを参考にするなら
10台程度なら
Mirror x4 で8~10ドライブ 50%
RAIDZ 9ドライブ 88%
RAIDZ2 10ドライブ 80%
RAIDZ3 11ドライブ 73%
となんならホットスペア、みたいなところでしょうか。