TrueNAS 12.0 のハードウェア要件

Installing TrueNAS for the First Time(初めてのTrueNASのインストール)
の前半部分の翻訳です。

ハードウェア要件

以下は、TrueNAS をインストールして実行するための最低限のハードウェア要件のリストです。特定のストレージと共有の要件を調べ、パフォーマンスのニーズを満たすために、これらの要件を超える ハードウェアにTrueNASをインストールすることをお勧めします。
  • RAM:TrueNAS を実行するには、最低 8GB の RAM が必要です。システムに 8 台以上のストレージ ドライブがある場合は、ドライブを追加するごとに 1 GB の RAM を追加します。例えば、12 台のストレージ ドライブを持つ TrueNAS システムでは、最低でも 12Gb の RAM が必要です。
  • オペレーティング システム デバイス:TrueNAS オペレーティング システムは、ストレージ ディスクとは別のデバイスに 8 GB のスペースを必要とします。オペレーティング システム用には、 16 GB 以上の容量の SSD またはハード ドライブを使用することを強くお勧めします。USB メモリをブート デバイスとして使用することは、製造品質や製品の寿命からシステムの信頼性を大変損なう恐れがあり、推奨されません。また、64GB以上ある場合、16GBのスワップ領域をシステムデバイス上に作成できます。SSDを採用する場合は考慮してもいいでしょう。また、SATAポートの数に限りがある場合には、システム構成のバックアップファイルがあれば、USBメモリ上のシステムが飛んでも割と簡単に復旧できるので、USBメモリもシステムデバイスの選択肢としてはまだ残るのではないでしょうか。
  • ストレージ ディスクとコントローラ:TrueNAS は、BIOS で AHCI が有効になっている場合、ホットプラグ可能な SATA ドライブをサポートしています。TrueNASは主にWestern Digitalハードドライブを使用してテストされています。そのため、システムに 8 台未満のストレージドライブがある場合は WD Red Plus ドライブを、8~16 台のドライブがある場合は WD Red Pro ドライブを、16 台以上のストレージドライブがある場合は WD Ultrastar ドライブをお勧めします。TrueNAS と OpenZFS で最高の結果を得るためには、従来の磁気記録(CMR)技術を採用したハードドライブを必ず使用し、シン グル磁気記録(SMR)技術を採用したドライブは避けてください。サポートされているディスクコントローラのリストは FreeBSD Hardware Notes にあります。
  • ネットワークインターフェース:FreeBSD Hardware Notes の Ethernet のセクションには、各ドライバがサポートしているインターフェイスが記載されています。最高のパフォーマンスを得るためには、Intel か Chelsio インターフェイスを使うことをお勧めします。

訳注:メモリの必要要件については、8GBが最低限、と書かれていますが、動作させるだけなら4GBでも可能です。ただし、パフォーマンスが出ません。またパフォーマンスを高めるには何よりもまずありったけのメモリ、です。とはいえ、最低限の8GBをクリアーしていれば、あとはやたらめったら搭載しても変わったことをしなければさほどパフォーマンスには影響しないようです。なお、超いっぱいのクライアントからの接続を捌くとか、超いっぱいハードディスクを搭載するとか、超いっぱい仮想マシンをホストするとかしたい人はどうぞ思いっきり搭載してください。

システム・ブートドライブは、最近はSSD推奨、というトレンドです。
USBでも動作しなくはないですし、コストパフォーマンスはいいのですが、年に1度の法定点検のときに起動しない、とか体験すると、やっぱりSSDにしておいた方がいいかな、と思うことは多いと思います。
M.2 SSDなどであれば、SATAポートや3.5インチベイも使いませんしね。
同様に、2.5インチベイならSATAポートは消費するものの、余っているケースも少なくないと感じます。
とはいえ、それだけのために構成を変えるのは費用対効果的にはどうかと思います。
法定点検のシャットダウン前にシステム設定のバックアップを取っておいたり、ブートデバイスをミラー化しておいたり、いざという時用に予備のUSBメモリをコールドスタンバイ(できればあらかじめシステムをインストール)して置いたりすることで最悪の被害は低コストで何重にも回避できると思います。

ハードディスクもしれっとWDが推奨されているのですが、Seagate派としては対抗の製品を紹介する必要があるでしょう。

WD Red PlusSeagate IronWolf*(1~8台向)
WD Red ProSeagate IronWolf Pro(~24台向)
WD UltrastarSeagate Exos(台数の制限なし)
*4TB以上で回転振動センサーを搭載 IronWolfおよびIronWolf Pro NASハードディスク・ドライブ | Seagate日本 | Seagate 日本

CMRの搭載機種は、
CMRおよびSMRハードディスク・ドライブ | Seagate 日本
も参考になるでしょう。
ただ、この指標に関していえば、NASの用途が作業用データ置き場なのか、データの保管用なのかにもよると考えています。

また、余談としては、B社のTeraStationなどには、WD Greenなどが搭載されていることもあります。

データが一旦書き込んだらめったに変更されないような使い方や、
予備のディスクを用意しておいて、ディスク交換がすみやかに行える場合や、
コストパフォーマンスをどこまで重視するかにもよりますし、
ディスクを多数接続する場合は、相互の振動の共鳴により、割とやかましくなることも注意が必要です。
台数が少なかったり、多少の信頼性低下や騒音より容量やコストを取るなら、


※Barracuda は SMR らしいです。Barracuda Pro だと CMR になります。

例外として、1TBモデルはCMRのままです。7200回転なので多少やかましいですが。
(わざわざSMRの小容量のハードディスクラインナップすることもないのでしょうね。500GBはもうディスコンでしょうか)

信頼性を求めたり、多ドライブを装着するならNAS用ディスクを選択するのは理にかなっているでしょう。

とはいえ、個人のレベルで有意な差を確認できるようなことはないと思います。
いわゆる「ジンクス」的なものが大きいでしょう。

WDのドライブの採用例が少ないので比較はしにくいですが、コンシューマ向けのドライブを大量に使用してバックアップサービスを提供しているBackblaze社のレポートなども参考になると思います。
Backblaze Hard Drive Stats Q3 2020
このデータを自分の環境に当てはめるときにどう解釈するかにもよりますが、やはりジンクスの割合の方が大きいような気がしますし、S.M.A.R.T.の警告に従ってさっさとドライブを交換すればいいだけのような気がします。そういう運用の場合に数台程度のドライブの信頼性で、価格差をひっくり返すような有意な差を計測できるのはまれではないかと思います。
(訳注終わり)


AMD Ryzen プロセッサの BIOS 設定


TrueNAS をインストールするシステムが AMD の "Zen" プロセッサを使用している場合は、インストール プロセスを開始する前に、マザーボードの BIOS を更新したり、いくつかの設定を変更したりすることをお勧めします。

第一世代の Zen プロセッサ

コミュニティメンバーから、第1世代AMD Ryzenプロセッサの安定性の問題が報告されていますが、それ以降の世代のプロセッサでは発生しないようです。

コミュニティによって報告された修正方法は以下の通りです:

  • マザーボードのBIOSをメーカーの推奨に従ってアップデートする。
  • CoolNQuietを無効にする
  • BIOSでCステートを無効にする

第2世代Zen+プロセッサ

第2世代AMD Ryzen "Zen+"プロセッサの安定性の問題がコミュニティメンバーから報告されていますが、それ以降の世代のプロセッサでは発生しないようです。

コミュニティから報告された修正方法は以下の通りです:

  • メーカーの推奨に従ってマザーボードBIOSをアップデートする。
  • BIOSでC6を無効にする

同様の内容として、FreeNAS 11.3 のリリース時に提供された
FreeNASハードウェアガイド
も参考になると思います。目次だけの部分は未訳ですが、ここも訳して欲しい、という要望があったらそこだけ追加する可能性がありますのでなんならお知らせ下さい。
(全部はやるつもりが元々ありません)


このあとは、ISOイメージをダウンロードしてUSBメモリを作成して、のいつもの下りなので、 TrueNAS 12.0 のインストール を参照してください。

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2020年11月11日 15:31に投稿されたエントリーのページです。

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