カセットテープのスピードを調整する

調整用のテープや、信頼できるカセットデッキがない場合でも、録音のできるデッキがあればカセットテープを1本犠牲にしてある程度はスピード調整できるのでは、と思った。

適当なカセットテープ1本を犠牲にして、物理的なテープの長さを測って、それの再生にかかる時間から逆算してテープ速度を調整する方法。


コンパクトカセットテープの走行速度は4.8cm/秒 (4.7625 cm/s)←15/8 in/s
https://mori-engineering.sakura.ne.jp/accessories3.html#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%AE%E8%B5%B0%E8%A1%8C,%E4%BD%8E%E3%81%84%E9%9F%B3%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

IEC 94-1 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems. Part 1 : General conditions and requirements)
を元にした

JIS C 5562-1996
https://kikakurui.com/c5/C5562-1996-01.html

によると、

カセットテープデッキのテープ速度調整をやってみる: Tsu.-Morrow!
https://tsu-morrow.seesaa.net/article/201709article_6.html

録音できる環境ならA音440Hzとかを先頭から100秒より少し余裕を見て、2分(120秒)くらい録音して巻き戻します。
できればあとでチューナーで速度を合わせられるようにA音440Hzとかの単調な音にした方が…(315Hzとかにするとカセットデッキっぽいかな)
録音しておく時間は誤差と所要時間の兼ね合いかな。
極端なことを言えば100秒じゃなくて1000秒にすれば、より誤差を少なくできるかもだけど、長すぎてもテープの長さの測定の精度に限度があると思う。
ピンチローラーが劣化してて、録音モードだと再生より余分にテープがスリップするとかの状態だと限度がありますが、調整を手軽に済ませるには当該機器で録音するしか。
またはそういった走行系の修理を先にするか。

カセットテープをデッキから取り出して、リーダーテープから切り替わる部分からテープをびろーんと引き出して、リーダーテープからの変わり目の部分から
1mとか、4.7625mとか物理的に長さを測ってから巻き取っていきます。
巻き取って所定の位置がカセットデッキの消去ヘッドのあたる位置に覗いているようにします。
(どうせ「約」ですけど)

そのままカセットデッキに戻して、そこから10秒くらい無音を録音し、マーカーにします。

録音できるデッキじゃないときは録音済みのテープを切って無音のテープとつないだり、磁性体を剥がしたり、マグネットなどを当てたりするとかかな。


改めて巻き戻して、カセットデッキを十分暖機してから時間を計りながら先頭から再生します。


音がし始めてから、途切れて無音になるまでの時間から、テープスピードの狂いを想定し、調整すべき周波数を割り出します。
ストップウォッチなどで計測すると誤差が大きくなるので、
パソコンでSounfEngine Freeなどで録音して計測すればかなり正確に時間が測れるはず。

1mの場合
1/0.047625=20.997秒、約21秒が本来の速度ですので、
例えばこれを20.5秒で再生するのなら、
21/20.5=1.024倍のスピードになっているので、遅くするので、
録音したA音440Hzが
440*20.5/21=だいたい429.523Hzぐらいになるように合わせたらいいのではないか、
というところ。

4.7625mの場合、
約100秒分相当なので、
例えばこれを105秒で再生するのなら、速くするので、
440*105/100=だいたい462Hzに合わせる。

テープスピードを調整するには、キャプスタンモーターの後ろの調整用穴か、モーターからの配線が行ってるところ付近の基板のどっかにある速度調整用の半固定抵抗を回す。SPEEDとか書いてあったりするかもしれない。2mm位の精密ドライバーをさして手探りで半固定抵抗のマイナスのみぞに合わせる。ものによってはマイナスのみぞとも限らない模様。
カバー開けるだけでイケるか、結構バラさないとならないかどうかはデッキ次第?
高級デッキになるとクォーツロックになってていじれなかったりもするかもしれない。


チューナーを使わず、
再生時間を計って調整していくのは無理があるんじゃないかと。
モーターの調整用穴からマイナスの精密ドライバーを突っ込むのは、クッとやるだけで大分変わって細かな調整しにくいので、A音を再生しながらチューナーやチューナーソフトで合わせるのがいいと思う。


調整できたら、確認としてさっきのテープをもう一度先頭から再生して、リーダーテープから切り替わるところから無音になるところまでのA音の長さが、
21秒や100秒に近いところになったか確認するといいと思う。

なお、
1mの場合、0.5%誤差は5mm、0.1秒
4.7625mの場合、0.5%誤差は23.8mm。0.5秒
まあ、手で適当に長さを計ってもだいたいいい線出せるのではないでしょうか?
(カセットデッキのIECの許容は±1.5%らしいのでこの3倍誤差があってもオッケーということに(笑))

https://nishimurasound.jp/blog/archives/13663

の記事によると
正確な値は 15/8 in/s つまり 4.7625 cm/s
規格としては±1.5%
ミュージックテープの許容誤差が0.5%
ですので、1.0%を切るぐらいの範囲に収められればまあいんじゃねとも思います。


なお、いったん調整して信頼できるようになったカセットデッキで改めて440HzのA音とかが録音されたテープが用意できれば、他のカセットデッキはそのテープを再生して、チューナーやチューナーソフトでスピード調整をすればいいと思います。


もちろん、正式なやり方しか受け入れられない人が無理してこのやり方をする必要はないでしょう。
とはいえ正式なやり方したって、どうせ以後のコンディションによってズレまくると思うので、こんなモンでいいんじゃないかと思っています。


ある程度調整できたデッキができたら2台目以降を合わせに行きます。
カセットテープのスピードを調整する(2)

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2024年10月28日 18:48に投稿されたエントリーのページです。

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