IntelとRealtekのNICでチーミング(Teaming)

Windows 10 Anniversary Update (1607) 以降でもチーミングが可能になったバージョンが出ているようです。Windows 10 Crators Update (1703) 適用済みのパソコンでも設定できました。

[IntelとRealtekのNICでチーミング(Teaming) Windows 10]

Windows 10 非対応

Windows 10 には現時点では対応していないようです。日本語の表示だと何言ってるかわかりにくいので、英語サイトを超訳してみました。

重要: インテル® ANS チームを作成すると VLANs Microsoft* Windows* 10 は、現在サポートされていません。 結果として、作成されたときに、チームは、 VLANs ANS はサポートされていましたことが予想されるトラフィックしないでください。 Microsoft* Windows* 10 のクライアントでは、将来のリリースです。

Important Note: Creating Intel® ANS teams and VLANs on Microsoft* Windows* 10 is currently not supported. As a result, when created, teams and VLANs do not pass traffic. We expect that ANS will be supported on Microsoft* Windows* 10 client in a future release.

(重要なお知らせ:Intel ANS チームやVLANの構成はWindows 10では現時点ではサポートしていません。このため、チームやVLANを作成しても、トラフィックは通過しません。 Windows 10 でのサポートは将来のバージョンで行いたいと考えています)

Windows® 10 用ネットワーク・アダプター・ドライバー

Windows 7 とかだと想定通りに動作します。

デュアルLANって…

ASUS P8P67 EVO REV 3.0 には、LANポートが2つあります。

LAN DUAL Gigabit LAN コントローラー:
  802.3az Energy Efficient Ethernet (EEE)
Intel 82579 Gigabit LAN コントローラー:
  統合型LANコントローラーとフィジカルレイヤ(PHY)を二重相互接続
Realtek 8110SC Gigabit LAN コントローラー

となっています。

で、

6. Realtek LAN (RJ-45) ポート**
7. Intel LAN (RJ-45) ポート**
  (シングル接続時使用推奨)

と、片方しか使わないときは Intel 側を使った方がいいよ

ということは分かりました。

以上。

まあ、デュアルLANが何なのかマニュアルには一切説明なし(笑)。ちなみに各ホームページでは

P8P67 EVO <REV 3.0> 株式会社ユニティ(日本の代理店かな)

- Dual Gigabit LAN搭載

ASUSTeK Computer Inc. - Motherboards- ASUS P8P67 EVO(ASUS日本語-訳が微妙だったりしてあまりアテにしていない)

- 1000BASE-T×2(内1つは定評のあるIntelチップ採用)

ASUSTeK Computer Inc. - Motherboards- ASUS P8P67 EVO(ASUSグローバル。まあ、大抵はここあさるしかない)

- Intel® LAN Support - Faster Transfer Speed

Industry Standard Dual Gigabit LAN Support (with One Intel LAN) P8P67 EVO features dual Gigabit LAN design which complies with 802.3az Energy Efficient Ethernet (EEE) standard and allows a PC to serve as a network gateway for managing traffic between two separate networks. Moreover, this motherboard also implements one Intel® Gigabit LAN controller which reduces power consumption during normal operation and enhances faster transfer speed through dual interconnection between the Integrated LAN controller and Physical Layer (PHY).

超訳すると、2つのネットワークに接続できて、2つのネットワーク間を省電力で高速に接続できる、と…。家庭用にいるのか、この機能?

デュアルLAN

とりあえずどうしようもないので教えてグーグル先生「デュアルLAN」。

57 :Socket774:2005/11/02(水) 21:41:25 ID:4PTNF5YU
IntelのNIC二枚とPROSETと呼ばれるドライバを使って
チーミングという設定で一本に束ねて倍速化するんだけど
意外に知らない人多いね。

あー、何となくたぶんそんな目的のためだと思ってた。

チーミング

ということでさらに教えてグーグル先生「チーミング」

リンク・アグリゲーション (Link Aggregation)
複数のリンクを使用することにより、全体としての帯域幅を増加させる機能です。
送信または受信などの際、複数のアダプターがそれぞれ別々のネットワーク機器との通信に当たります。一つの通信相手に対しての速度が向上することはありませんが、通信に使用するリンクの数が増加しますので、クライアント - サーバー間の通信など、複数の通信 (1 : n) を同時に必要とするケースなどで有効となります。
チーミング機能 — アドバンスド・ネットワーキング・サービス 製品サポート

…機能の説明ありがとう。

ちなみに、もはやどこに書いてあったか忘れましたが、IntelのNICと、他社のNICをチーミングすることを、「マルチベンダーチーミング(Multi Vendor Teaming)」というらしいです。(というかまんまだけど)

結局、手順なしかよ

ということで、どうにも手順がないようなので、デバイスマネージャを見てると、

Intel側82579Vのプロパティにまんま「チーム化」っていうタブがあるじゃないですか。

うすく「使用できるチームがありません」と出ているのが何となく気にはなりますが、とりあえずやってみました。

チェックを入れると、新規チームが作成できます。

チーム名の初期値は「チーム 0」だったかな。まあ、名前なんで大丈夫だとは思うけど、念のため半角英数だけにしておく。

Realtek PCI GBE Family Controller にチェックが入っていないので、ココでチェック。

チームタイプは、

アダプタ・フォルト・トレランス(AFT)→あくまで片方はスペア。家庭用では不要。

アダプティブ・ロード・バランシング(ALB)→サーバー的な、主に送信の負荷分散。

静的リンク・アグリゲーション(SLA)→期待している機能はたぶんコレ(※スイッチが対応している必要がある)

IEEE 802.3ad 動的リンク・アグリゲーション(DLA)→静的リンク・アグリゲーションより規格化されているっぽいけど、ポートトランキング対応スイッチが必要そう(手軽に入手できそうなのとして、Buffaloの法人向けスイッチBS-G21Mシリーズとか。でも8ポートですら4万円近いですけど )

スイッチ・フォルト・トレランス(SFT)→別々のスイッチに接続しておいて、スイッチの障害に備える。家庭用では不要。

の5種類から選ぶことができるようです。ちなみに、NICの故障や、スイッチの故障への対応は、家庭の場合はさっさと交換品を買ってくればいいだけの話なので、その間のダウンタイムが許されない用途でないと、わざわざ設定するまでもない気がします。

ま、とりあえず「静的リンク・アグリゲーション」で設定だけしてみよう。

2011.8.21追記

特別なスイッチ(トランキング機能があるL2スイッチ)を使用していない場合は、アダプティブ・ロード・バランシング(ALB)が精一杯なようです。詳しくはこのページの下の方

(ちなみに、「IEEE 802.3ad 動的リンク・アグリゲーション」でやってみたところ、私の環境では、Intel側がスタンバイになってリンク速度が 1.0Gbps のままでしたので、「静的リンク・アグリゲーション」としています。まあ、フツーのスイッチングハブですし。)

どこの記述で見たか分かりませんが、チーミングをする場合は、参加する全てのアダプタが持っている機能以外は無効になるということで、今回は、「ジャンボ フレーム/ジャンボ パケット」と「受信側スケーリング」が無効になるらしいです。(使ってないからいいけど)

一旦ネットワークから切断されたあと、新しいネットワーク アダプターが出現します。

さきほど薄い字だったところに「Team 0」が出現しました。

デバイスマネージャでは、計3つのネットワークアダプターが検出されています。

ネットワーク共有センターを開くと、

3つのローカルエリア接続があります。

ですが、プロパティを見ると、

作成したチームだけが、通常の設定項目を持っていて、他の2つは、「Intel(R) Advances Netword Services Protocol」でバインドされているっぽい感じになっています。

そして、ローカルエリア接続 3は速度が 2.0 Gbps となっています。

で、速度はどうかというと、正直体感では分かりません。

先ほどの一つの通信相手に対しての速度が向上することはありませんという記述からも、1:n接続の時に良くなるだけっぽいので、1台のチーミング設定したパソコンに対して、2台からアクセスしてみましたが、高速な転送ができるパソコンの台数が少ないのか、十分な負荷がかけられないため、実力が試せません。

まあ、とりあえず、2台のパソコンから転送しても、それぞれの限界速度まで出ているような「気が」するので、十分かと。(とはいえコントローラーチップの性能なのか、片方が350Mbps位、片方は100Mbps位しか出ないんですけど)

【重要なポイント】インターネットへの接続速度が上がることがありません。インターネットへの接続速度は、大抵ルーターから先の問題なので。

調べている間に、「ADSLの人が少しでも高速化したくて」という記述を見ましたが、そういう人のための技術じゃないです。

ただ、インターネットとの高速な転送中にもLAN内の他のパソコンからの接続を処理できるはずなので、そういったときのインターネット接続の速度「低下」には対応できるのではと、設定してみたまでのことです。体感では分かりませんが…。

2011年8月21日追記

メインPCがフリーズする現象を探っている間に、 Intel PROSet を 16.4 に更新してみたところ、スイッチのテストなるイカしたボタンが出現しました。

これで、自分のスイッチが静的リンクアグリゲーションに対応していないことが確認できます。(がっかり、っつーかやっぱねー、っつーか。)

対応スイッチに買い換える余裕のない方は、デュアルLANが装備されている気持ち分だけでも有効にするなら、

アダプティブ・ロード・バランシング (ALB)
この機能は複数の宛先アドレスに対する送信を同一のハブ、またはスイッチに接続された 2~8 ポートのチームメンバーで同時に行なうことにより、ネットワークの帯域幅を向上させるもので、AFT の機能も含まれています。外部からのデータ受信はプライマリー・アダプターのみが行ないます。送信データが複数の宛先アドレスを指定している場合に、構成された各アダプターより各アドレスへ同時に送信されます。マルチキャスト・ブロードキャストや、ルーティングされないプロトコル (NetBeui, Microsoft IPX など) では、プライマリー側のアダプターからのみ送信されます。 この機能は Windows 2000、Windows Server 2003 および Windows NT 4、NetWare 4.1x 以降、UnixWare 7.x with ddi8 および Linux (32 bit) で使用できます。また、どのスイッチでも使用できます。
チーミング機能 — アドバンスド・ネットワーキング・サービス 製品サポート

とするしかないようです。

変更は「チームの編集」からできます。

設定を変更すると、リンクが一旦無効になり、再び有効になるまで少し時間がかかります。焦らず待ちましょう。

フツーのスイッチングハブでも、この設定なら問題ありません。

一応、Windows 7 のリンク速度も 2.0 Gbps となっています。

いずれインテリジェントスイッチを購入するまではこれで我慢かな。ま、10Gbイーサにするよかは安いし、いつかはトランキング機能のあるインテリジェントスイッチを買ってみてもいいかも。

[1号機 メインPC][3号機 エンコード機]