きりしまはお取り寄せ品がマイブームである。
時期になったら、できるだけ産地に近いところから、通販等で取り寄せるのである。
この時期(というか取り寄せるのはちょいと前になるが)といえば、素麺「揖保の糸」である。
毎年、桐箱入りの贈答用のひね特級品を40束2kg入りを2箱、兵庫県手延素麺協同組合のホームページから取り寄せる。
一度、80束4kg入りを買って失敗した。開けてしまうので、後半の風味の落ち具合が激しいのだ。
すごい勢いで食べることになって、結局1シーズン持たなかった……(そんなにムキになって食べなくてもいいのに)。
箱が二つになっていると焦らずに食べられる。
というわけで、今年も台所に揖保の糸が2箱鎮座している。
まもなく1箱目が空になろうとしている。
そこに異変が。
会社にお中元として大量に「素麺」が届いたのだ!(オーマイガッ)
半生素麺と記載があり、7月で賞味期限が終わる。
ということで、箱が社員に配られる。
持って帰るのも一苦労だが、なにより、揖保の糸特級品より先に消費しなければならないというのが痛い。
ちなみに、スーパー・コンビニ等で売っている上級(帯が赤い……たまに特級で黒のときもある)ですら味が違うと愚痴ってるというのに…。
というのは飲み込んで持ち帰る。
当然次の休みの昼食は半生素麺なワケで…。
「太っ!!」
これは「冷や麦」って言うんじゃ…。
オヤジ曰く、
「油を使っている方が素麺で、使っていない方が冷や麦」
きりしま曰く
「細い方が素麺で、太い方が冷や麦、いうなればうどんもきしめんも太さの違いじゃ…」
(なお稲庭うどんは真ん中に穴が開いている程度の認識)
まあ、揖保の糸の細いものにこだわって取り寄せている身としてはアイデンティティーに関わる問題である(大げさ)。
ということでインターネットで調べる。
冷や麦は麺生地を細く切ってあるのです(つまり細いうどん)が、そうめんは麺生地を油を使って細くのばしてあるんです。
メルマガについて-旬楽生活・クチコミグルメ
という記述を発見。
が、今回の半生素麺、どう見ても「細く切って」ある。
この説では、冷や麦になってしまう。
1年前までは、農林水産物の表示義務を定めたJAS法の基準で、めんの太さには明確な差があった。「うどん1.7ミリ以上」「冷や麦1.3ミリ以上1.7ミリ未満」「そうめん1.3ミリ未満」。ところが昨年6月、機械製以外の手延べめんについては、1.7ミリ未満なら冷や麦、そうめんのいずれを名乗ってもよいことになった。
asahi.com :料理の知恵袋 - be-entertainment
ということらしい。
ちなみに、機械製麺の場合は、
「うどん1.7ミリ以上」「冷や麦1.3ミリ以上1.7ミリ未満」「そうめん1.3ミリ未満」
というのが現状でも有効な様子。
なお、この「手延べ」の規定もJASにあるそうな。
手延べ素麺類(手延べ素麺、手延べ冷や麦、手延べうどん)の日本農林規格の制定案の1部改正案について
(1)手延べ干し麺のメーカー数は不明であるが製造工場数は1,250工場であり、麺線を引き延ばす工程が手作業で行われているかどうか、また、十分な熟成期間が設けられているかどうかにより品質(特別な生産方法による価値)の違いが認められる。
1, 小引き工程《かけば工程(よりを掛け、交差させつつ麺線を平行稈に掛けることを言う。)を経た麺線を引き延ばすことをいう。》から門干し工程(乾燥用ハタを使用して麺線を引き延ばして麺とし、乾燥することをいう。)までの間において、麺線を引き延ばす行為のすべてを手作業により行っている事。
小豆島手延べ素麺のお話-手延べ素麺のJAS規格・表示法について
つまり、「延ばす」作業が手作業かどうかということにこだわっている模様。
ちなみに、細さへのこだわりは、
三神 0.55~0.60mm 上質の原料小麦粉を使用し、組合が選抜指定した数軒の熟練した製造者にしかつくれないため、製造量は「揖保乃糸」全体のごく僅かです。手延そうめん「揖保乃糸」の最高級品です。
特級 0.65~0.70mm 上質の原料小麦粉を使用して、厳寒期につくられる絶品です。製造は熟練した製造者に限定されています。
上級 0.70~0.90mm 「揖保乃糸」の中で歴史のある帯のそうめんで、全体のおよそ80%を占め、最もご愛顧頂いている名品です。
揖保乃糸ホームページ
となっている。揖保の糸はそうめんとして売られている商品の中でもダントツ細いです。ちなみに三神は食べたことがありません。
細ければいいかどうかは別として、この細い素麺が気に入ってお取り寄せしているワケです。
ざっとググったところ、三神は高島屋オンラインショッピングで入手できそう。
(揖保の糸ホームページでは商品として並んでいない)
デパートなどの進物専用品で一般の食品流通には乗りません
そうめん「揖保の糸」の知識■お中元、お歳暮、ギフトに ■「総合食品卸 「原田商店」
550業者のうち「三神」を製造できるのは組合から指定された三軒の業者にすぎません。
揖保の糸・三神(手延べそうめん)食べ比べ!-東北大学大学院理学研究科物理学専攻物質構造物理研究室
「揖保の糸」を買っているのだが、これってば上級品とか特級品とかもあるのね?どこがどう特級で上級なのか食べさせてくれ。
うろうろ版: 揖保の糸の極細を愛する
とまあ、こんな調子です。
三神食べてみたいですが、こんなレアものを食う資格があるのか、疑問ですね。
まとめとして、現行の表示基準を。
農林水産省<個別の加工食品に係る品質表示基準>より
乾めん類品質表示基準
制定 平成12年12月19日農林水産省告示第1639号
改正 平成16年6月18日農林水産省告示第1192号
改正 平成16年10月7日農林水産省告示第1821号
(表示の方法)
第4条
(1) 名称
ウ 手延べ干しめんにあっては「手延べ干しめん」と記載すること。ただし、長径が1.7㎜以上の丸棒状又は帯状に成形したものにあっては「手延べうどん」と、長径が1.7㎜未満の丸棒状に成形したものにあっては「手延べひやむぎ」又は「手延べそうめん」と、幅を4.5mm以上とし、かつ、厚さを2.0mm未満の帯状に成形したものにあっては「手延べひらめん」、「手延べきしめん」又は「手延べひもかわ」と記載することができる。
小豆島手延べ素麺のお話-「乾麺類品質表示基準」
つまり、現在は、
手延べ干し麺で1.7mm以下なら、冷や麦でも素麺でも好きな方を名乗ってよい
ということなのでした。
ちなみに、半生素麺、「太い」という点を除けばおいしくいただけました。
(個人的には冷や麦~うどん(笑))
2008.8.20追記
この前見た「和風総本家」で(たぶん7月放送分)、素麺と冷や麦の違いは3つ、とされていました。
1.太さ
2.乾燥を防ぐため、綿実油を塗る方が素麺、塗らない方が冷や麦
3.のばしている方が素麺(断面が丸)、切っている方が冷や麦(断面が四角)
とのことです。
ただ、3に関しては上記のような「切った素麺」も存在しているので、作り手が「素麺だ」っていえば「素麺」だし、「冷や麦だ」っていえば「冷や麦」のような気もしないでもないぐらい曖昧な気がします。
うどんと冷や麦の境界線も、1.7mmのところできっかりとは区切られていない気がします。
コメント (2)
「三輪そうめん」ってのも細いよ
家に去年の空けてない1kg箱がある。
いちおう、賞味期限は2006/11…。
冷やし麺だと、蕎麦>>中華≒素麺≒うどん って感じ。
一夏の消費量は1kgあるかないか。
投稿者: まっちい | 2006年06月29日 22:48
日時: 2006年06月29日 22:48
三輪素麺かあ。
細い品を選べばいいんだろうけど、
三輪素麺は太いのしか食べたことがない…。
投稿者: Kirishima | 2006年06月30日 09:09
日時: 2006年06月30日 09:09