企業たるもの、ウェブサイトを作らなければならないか?

人力検索サイトの質問で、ある企業のウェブサイトが見つからない、というのがあって、それについて触れている記事が紹介されていて、その記事へ飛んでみると、いろいろ書いてある。

企業がウェブサイトを持つことが当たり前のようになって来ていますが、検索とかで、手軽に情報を入手してやってくる一見のお客の気を引くのではなく、実際の店舗でのやりとりに専念したい、という企業の姿勢はそれはそれで評価できる事だと思います。

ところが、多い意見は、企業たるもの、ウェブサイトくらい作るべし、なのだ。

特に気になったのが、
「お店の開店時間を調べてから行こうと思ったのにウェブサイトが見つからないので行きませんでした。ひとつの機会損失ではないでしょうか?」
というたぐいの意見。


それは、あなたがその企業にちやほやしてもらえなかったことから来る思いなのでしょうが、その企業にとっては、インターネットで情報が入らないぐらいで来ないようなロイヤリティーの低い人は顧客ではないのですよ。

電話かけて訊いたっていいし、本当に手に入れたければ、開店時間なんか分からなくても、開いてそうな時間に行ってみればいいのです。

顧客顧客って偉そうにしていられるのは、買ってもらえないモノを無理に買ってもらおうとしている売り手との関係から生まれるものであって、その売り手が売らんとしているものは必然的に大したものではないということになりませんか?

「欲しくても、まずお得意様優先で」

お得意様に優先的にいいものを回すので精一杯で、一見さんはお断わりなわけです。生産に余裕があって、余るようならどうぞ、っていうスタンスだとしたら、上のような意見の人はずいぶん惨めですよね。

デフレ進行のなかで、みんなが欲しがるモノを手に入れるためには、ウェブサイトがないとダメだ、とかそんな尊大な態度ではクズをつかまされるのがオチですな。

と思った。

どうでもいいモノは格安で、こだわるモノはとことんいいモノを。

そんな時代の様な気がします。

2004.3.5 若干加筆・修正しました。

コメント (3)

ogoh:

きりしまさんの意見に同意ですが、ちょっと私見を補足させてください。
「これでもお客さまは神様か?」という本の背表紙をどこかで見た記憶があります。
なんか、ウェブに情報源を依存している人は、たとえてみると、電車ばかり使っていて街を歩いたことのない人のような気がします。
つまり、どこに何があって、というのを身体で知っていないということです。
ウェブに情報源を依存していると、人対人、ということを思わず忘れてしまう気もします。その点、私もロクロっ首でアッ! となることが多いです。
(きりしまさんには世話になりっぱなしですからね!)
私の好きな店というのは、人対人がキッチリしてるところなんですけどね。だから、きりしまさんのこの文章を読んで、ちょっとビックリしました。

「お客様は神様です」
これは、お客様の側にも神様としての振る舞いを暗に要求している表現だとしたら、恐ろしいな、と思いました。
営業マンにとって神様のようなお客様、いったいどんなお客様像なのでしょう。
ただお金をバラまいてくれるのは神様っていう存在じゃないですよね…。

ogoh:

「お客様は神様です」が暗に客側への要求という読みは、なるほど、恐ろしい。鋭角ですねえ。
人対人となると、とかく人間生ズルイもので、相手にカミサマのように寛容であってほしいと思うもの。
ただお金をバラまくのが神様的な客だと思う営業は、たいした成績を収められないでしょうね。
徳川某の「生かさず殺さず」ではないですが、コッチのほうがリアルというか(もっと怖い)。

>どうでもいいモノは格安で、こだわるモノはとことんいいモノを。
この意見についても書いてみたいです。
服飾にたとえると、パンツでもユニクロかアルマーニか、ということになる。
事実、そういう動きはあると思います。
たとえが悪い、というご説もあるでしょうが、
要はきりしまさんの言う、用途に合った価格設定であり、且つ、客側にも目が必要だということ。
「こだわる」とわざわざきりしまさんが書かれているのは、つまり、お客の目が肥えてないとアルマーニでもあるまいに、というオヤジギャグに落下してしまうということではないか、と。
すまん、まとまらん。

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2004年03月04日 23:47に投稿されたエントリーのページです。

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